黒猫のうたた寝

袴田事件…うーーん、実はこの作品を観ようと思うまで
清水市でこんな事件があったことすら認識していません
でした。

昭和41年清水市の味噌工場で起こった放火現場から
刺殺死体が4体発見された。
犯人は従業員で元ボクサーの袴田ということで、彼に
死刑の判決が下された。
その主任判事である熊本は、袴田が有罪とは言い切れ
ないことに気づいたものの、立証できなかった。
真実を明らかにする為に判決後、彼はコツコツと調べ
続ける。
でも、いまだ袴田の無罪は立証されていない。

認識してなかったのも当り前、昭和41年といえば今から
44年も前
さすがにその頃20代以上でなかったら意識してないよね。
たまたま左右のお隣に座った年配の女性のお客様は、
清水出身でやっぱり当時ほんとに近所で起こった事件で
印象強かったので、どうしても観たかったということでした。
人が人を裁くこと、この時代は裁判官が判決を下しますが
今は裁判員制度が生まれ、法律の専任ではない一般の
人々が判決を下すことになります。
いつ、そんな役目に就くことになるかはわかりませんが
果たして正しく判決を下すことができるのでしょうか？
状況証拠や自白だけで判断することで生まれてきた冤罪。
場合によっては、証拠がねつ造されるようなこともあり得た。
でも、そんなことで出た判決を既に何も証言できない
被害者は真実と思われることが明らかになったと喜んで
くれているのでしょうか？
科学が発展し、いろいろな方法で真実は、もっと明白に
わかるようになっていくのでしょうが、是か非かを判定する
ことは猫にはできないように思います。
清水玲子のコミック『秘密-トップシークレット-』のように
いつかは死んでしまった被害者の脳が真実を明らかにして
くれるようなことが将来的には起こりうるかもしれません。
またブラッカイマーの映画『デジャヴ』のように時空を飛んで
真実がわかるようになるかもしれません。
でも、その事件が起こった理由は犯人だけの気持ちだから
結局誰にもわからない。
いろいろ考えさせられる作品です。
うたた寝指数は10分
ドキュメンタリータッチは、油断すると眠くなるんです、、、