黒猫のうたた寝

スウェーデンのヴァンパイア映画・・・なんだか童話のような
感覚でした。
ヴァンパイアといえば、ホラーだと思うのですが、確かに
血は流されるし、スプラッターなシーンはありますが
でも、全編を通してホラーという感覚は希薄です。

いじめられっこの少年オスカーが出会った少女エリは、
姿は12歳くらいなのに、彼女は実はヴァンパイア
・・・血を吸わなければ生きていけない存在。

少女の姿をしたヴァンパイア・・・小野不由美の『屍鬼』の
桐敷 沙子をちょっと連想しました。
少女の姿では単独で生きていくのは難しい・・・
エリには彼女を守る存在が必要で、それを失ってしまったら
新たな庇護者（カモフラージュ）を選ぶ必要がある。
彼女を受け入れてくれる人間。
一見彼女の保護者のように思える男性は、人間でありながら
彼女を若い頃からずーと守り続けていたんでしょうね。
エリと出会ったことで、何もできなかった気弱な少年は
いじめっ子に立ち向かうことを学び、本来自分よりも強い
存在であるエリを守ることができるのは、彼女の正体を
受け入れた自分であることを知るわけで。　
構図や撮り方が一人称的で、オスカーの目線映像で
あることでの閉塞感もあり、微妙に眠気も誘うのですが
フラッシュバック的にエリのアップや瞳の強さが残ります。
うたた寝指数は細切れ合計30分（はあったと思います）
雪の舞う夜から始まって終わる物語。
ハリウッドリメイクされるそうで、予告観てみましたが
ヒロインの少女はこちらのほうが印象に残る感じです。
でも、公開されたらチェックするんだろうなぁ(笑)