2007年01月11日

弓☆独り言

キム・ギドク監督の作品って、なんとなく心が惹かれます。
他の韓国映画とは、また違っていて、現実感が希薄なところも
惹かれる理由なのかもしれません。
言葉よりも、背景の美しさと役者の表情で語りきってしまうのが
想像の羽を広げてくれていいのかもしれません。
陳腐な言葉は・・・幻滅する場合もありますし。
レイトショーで『弓』鑑賞してきました。
また公開から3~4ヶ月遅れなので、きっとそろそろDVDも
出るんじゃないかな?(笑)

海に浮かぶ1艘の船・・・
暮らしているのはもうじき17歳の少女と老人
釣り人へ船宿としてそこを提供することで生計を立てている。
少女はいずれ17歳の誕生日には・・・老人の妻になる。
懇意にしている釣り人は弓占いを老人に頼む。
老人は船の側面のブランコに少女を乗せ、そのブランコ越しの側面の的
めがけて小船から矢を放つ。
的の当たり方で、少女が老人に伝える占いの結果は、結構当たるらしい。
穏やかな日々が続く。もうじき来るであろう誕生日の当日のために
老人は少しづつ、結婚衣装を揃えていく。
そんなとき、釣り人として訪れたある青年に、少女は淡い恋をする。


光源氏の物語・・・でもね、源氏は老人だったのです。
少女を育てて10年、結婚できる日を夢見て
宝物のように少女を愛する老人。
でもいつか、少女は知恵の実を食べてしまうのです。
やっぱり、肌つやつやな若者のほうが目を惹くのです。
別の方に目が向くと、老人自身の光はなくなり
少女の目には疲れた老醜さしか映らなくなります。
そして若者は白馬の王子のように少女を老人から引き離そうとします。
宝物が奪われて、老人は生きる気力を失った彼が選んだ道は・・・
死ぬことしかありませんでした。そしてその自殺の方法は・・・
愛するものの手によって命を落とすのなら、それも本望・・・と
そんな老人の深い愛情に、少女の心は彼に戻り
二人の結婚式が厳かに、そして楽しそうに行われます。
立ち会うのは・・・彼女を老人から解放しようとした青年でした。
結婚式が終わり、老人の奏でる弓の音楽に心癒された少女は
初夜を迎え、その時を待ちます。
穏やかな寝顔をみつめ老人はすべての想いをこめて弓につがえた矢を
空たかく放つのでした。
それは・・・解放と同時に彼の想いのたけのすべての象徴
あぁ、そういう想いの遂げ方もあるんだなぁ~・・・
プラトニックでエロいの、、、
ホロっとされながら・・・しっかり想いを遂げた老人に対して
結局いい人扱いになってしまう白馬の王子(爆)
まぁ、人生ってこんなものね。

でも、相変わらず、この映像は・・・やっぱり好みなのだわ。
それにしても、少女と娼婦と菩薩の表情を、このヒロインは
見事に表現してました。
あ、『サマリア』にも出てたのか・・・
お、覚えてなかったなぁ、、、汗

うたた寝指数は0♪


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Posted by にゃんこ at20:00
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なのに、映画語っちゃうとんでもない猫です。
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