黒猫のうたた寝

1990年代のイギリスを舞台にした寄宿学校で出会った
少年と少女の三角関係を美しい情景を絡めて描かれている
そんな作品ぽく思っていて、なんとなーーくスルー決め込ん
でいたのですが・・・
公開されてからの映画biogerさん達のレビューでSF作品と
知り、レイ・ブラッドベリ作品を萩尾望都が漫画化した時の
ような感覚を思い出して、レイトショー観に行ってきました。

ドナーになる患者の介護についているキャシーの回想で
始まる物語・・・
ヘールシャムと呼ばれた寄宿学校で育てられ、18歳になる
まで純粋培養な状況で生きてきた子供達・・・
学校を出て、提供の通知が届くまでの数年間の自由な日々
ドナーになることは彼らの生まれた時からの定めだった。
運命として、その定めを受け入れてはいるものの、子供達は
猶予期間を延ばす方法を模索する。
真に愛する者同士が、その愛を証明し申請を出せば猶予
期間が延びるという噂の真実は？

キャシーとルースとトミーの3人は、子供時代の方が雰囲気
あったような気がします。
クローンものの『アイランド』では、金持ちが自分の為に民間
企業に高いお金を払って自分とまったく同じコピーを作って
自分だけの為にクローンを育てていたけど、本作では国家が
国民の為に国を挙げてのドナー育成に勤しんでるようで
おそらくドナーとなる子供の提供者は生活に困っている人間
のようなことになっているようで・・・
至れり尽くせりの寄宿学校・・・美しい情景の背後にあるのは
人間のエゴ。
提供者として生きていること、提供できることは立派なこと
あなたたちこそ、特別な存在であり・・・
そんなことを素直にインプットされて運命を当たり前として
受け入れている子供達。
手術台の上に載せられた彼らに施される臓器摘出の映像は
彼らをモノとしか扱っていないように感じさせてくれました。
できればキャシーたちの運命から逃れるべく戦う姿勢が観た
かったなぁ～
切なすぎるよ。。。
うたた寝指数は静かで美しい情景のせいか10分