黒猫のうたた寝

難病ものは単なるエッセンスのひとつ。
死にゆく少年の言葉は深いなぁ・・・
『100歳の少年と12通の手紙』観てきました。

クリスマスが近づく12月20日・・・
少年は偶然担当医が自分の両親に、彼の余命が
あとわずかだと話している声を聞いてしまう。
ショックのあまり、今日は少年に面会できないと
泣き崩れる母・・・
いたずらをしても、誰も怒ってくれないのは自分が
もうじき死んでしまうことを大人は同情して大目に
見ていたんだ・・・
ちゃんと向かい合ってくれない大人に背を向けた
少年が、唯一心を開いたのは、ピザ屋を開業して
偶然病院に売り込みに来ていたローズに対してだけ
少年のことを知らないローズは、廊下でぶつかって
きた少年に容赦のない怒声を飛ばした。
そんなローズと少年の12日間の交流が始まる。

1日を10年としてこれからの毎日を生きれば、人よりは
駆け抜けちゃうけど一生が経験できると少年に薦める
ローズ・・・こんなこと、果たして彼女の立場に立った時
に咄嗟に出てくるとは猫には考えもつかなかったなぁ。
想像力とユーモアのある彼女。
料理が好きっていうのは、基本も大切だけど新しい発想
も大切だからこそのアレンジだったのかな。
自分のことを元女子プロレスラーだと名乗り、少年が
考えに詰った時に語ってあげた過去の試合の数々・・・
唐突に登場するそんな突拍子もない選手との対決シーン
の映像は、難病モノだということ忘れちゃって笑ってしまい
ます。(笑)
そして、1日に10年分の体験をしていく少年の毎日。
10代の後半の2日目に恋する少女に告白しキスをして
20代の3日目に結婚を体験・・・
30代から40代の時間は、浮気が発覚(笑)・・・そして妻
との和解の後の穏やかな老年期
老成した少年の口調が微笑ましい。そして彼が口にする
言葉は、心にまっすぐ入って来る。
ふとしたときに現実に戻りますが、全編を通して優しく
温かなファンタジー作品を観ている感覚があります。
空に飛ばした風船につけた手紙は、きっと神様に届いた
んだろうな～っと・・・信じましょう！
そんなピュアな気持ちになる逸品です。
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